たとえるなら、うんと濃いブラックコーヒー

Volime.3  MUDHONEY

名著「ビニールジャンキーズ」(ブレッド・ミラノ著)にこのバンドのギターリストであるスティーヴターナーも登場する。音楽をやる前からレコードに憑りつかれていたミュージシャンは多いらしい。ツアーもお金もなくて何千ドルもするジャッキー・スターク&ザ・ビーチ・ブッチャーズのレアシングルを彼女に言われて売ってしまった後に、自分は他の憑りつかれたコレクターとは違うことに気づけて良かったなどこの本で言っているけど、まったく本心でないことがよくわかるがゆえに、スティーヴターナーに親近感を持ってしまう。きっと滅茶苦茶いい人なんだろう。

マッドハニーのシングルを1枚または1曲を選べ、と言われたら迷うことなくこの1枚を選ぶ。この曲を聴いて影響を受けなかった星の数ほどいるグランジバンドはいないだろう、と思う。この人たちはそもそもグランジなどまったく関係がなかったのではないだろうか、とも思う。ただ自分たちの好きなレコードの音楽のように演奏してみたい好きな音楽をちょっと解釈を変えてやっているという、そんな気がする。

このシングルはスプリットでB面がSPACEMEN3 の曲。500枚限定で発売されたらしいけど、そんなことも知らずにたまたま買ったシングルでマッドハニーにはまってしまった大切なレコードでもある。ジャケットから音楽から、やたら濃いブラックコーヒーという印象は今でも持ち続けている。なんてかっこいい曲なんだろう。

MUDHONEY/REVOLUTION   Side B SPACEMEN3/When Tomorrow Hits
Not On Label 1992 Unofficial Release



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